mtail事始め
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mtail使っているけどちゃんと理解できていないかも…
という僕がmtailを改めて勉強したので書き留めておこうという記事です。
mtail自体は、apacheのログフォーマットをパースしてPrometheusで収集させるのに利用しているのですが、構築などは自分がプロジェクトにjoinしたときには既にあったため、なんとなくでも使えてはいました。
ですが不具合調査をすることになり、この機会に一から学んでみることにしました。
mtailについて
概要
mtail
はアプリケーションのログからメトリクスを抽出してエクスポートしてくれるツール
メトリクスはPrometheusのようなPull型アーキテクチャを持つツールがスクレイプできるように、JSON形式もしくはPrometheus形式でHTTPサーバで公開できます。また、定期的にcollectdなどのツールに送ることも可能のようです。
入手方法
GitHubのリリースページから直接入手できます。2020年10月のリリースからは、armで動くバイナリも配布されています。
コンテナイメージですが、DockerHub上で公式イメージは手に入らないようです。GCRの公開リポジトリとかにありそうだなあと思ったんですがありませんでした。
実行方法
--progs
でログをどうパースして、どのようにエクスポートするかを宣言したファイルのパスを指定する。一方で、--logs
では入力となるログファイルのパスを指定する。必須なのはこの2つ(のはず)。
--logtostderr
はログをファイルではなく標準エラー出力に履く設定。基本的にmtailはサイドカーコンテナとして動かすケースがほとんどだと思うので、ログ出力は標準出力に履いてCloudWatch Logsなりでキャプチャ/転送してあげるのが易しいはず。
--progs
ではディレクトリを渡すこともできる。ファイルの名称は、末尾に.mtail
がついていないと読み込んでくれない点について注意が必要です。
mtail --progs ./progs.mtail --logs /var/log/apache/access.log --logtostderr
メトリクスの公開先
デフォルトでポートは3903
で公開されるので、それに合わせてPrometheusなりでサービスディスカバリしてあげるように設定して上げると良い。--port xxxx
のようにコマンドの引数でポートはオーバーライド可能です。
mtailの設定DSL
exportする変数の定義がまず必要です。ここはPrometheusなどの収集ツール側から見れるメトリクス名になります。
counter
, gauge
, histogram
が指定できます。
counter lines_total by path, method # by を使うことでdimentionを追加できる
gauge queue_length
pattern(正規表現)を満たしたエントリに対してactionを行います
またpatternでキャプチャした変数はactionブロックで利用することが可能です
pattern { action } # 例: 1行ごとにカウントするシンプルなもの(行末ごとにactionが行われる) /$/ { lines_total++ } # + でpatternの結合、#より右はコメントなので無視する /(?P<method>[A-Z]+) / + # %m - The request method. /(?P<code>\d{3}) / + # %>s - Status code. /(?P<sent_bytes>\d+) / + # %O - Bytes sent, including headers. /$/ { http_response_size_bytes_total[$method][$code][$protocol] += $sent_bytes }
mtailのテスト
mtailには構文のテスト方法と実際に得られる値までを計算して確認する方法があります。
- 構文チェック
mtail --compile_only --progs ./progs
- 実際にファイルを食わせて出力される値を確認
mtail --one_shot --progs ./progs.mtail --logs testdata/foo.log # jsonの出力が吐かれます
他にも色々機能がある…
中間値を保持する機能やHistogramをエクスポートする機能まではまだ追いきれていない状態ですが、なんとなく大枠はつかめたかと思います。
examplesが充実しているのはありがたいですね