1クール続けるブログ

とりあえず1クール続けるソフトウェアエンジニアの備忘録

2023年に読んだ本を振り返る

年末なので年末っぽいことを書いてみるかと思い、今年読んだ本を振り返ってみることにしました。今年ちゃんと読んだ本は20冊らしい。
本のハイライトなどを読み返すと、忘れてしまっていることがほとんどなので、たびたび読み返すような習慣をつけたい。

積読が増えていくスピードの方が速いので、来年は倍の40冊くらい読めたら良いなあ。

日本人のための第一次世界大戦

www.kadokawa.co.jp

コテンラジオを熱心に聞いていた2021年頃に既に買っていた本だが、10%くらい読んで放置していて、ネスペの勉強から逃げて読んでるうちに読了していた。

背景にある、技術の発展をきっかけに起こった識字率の高まりやメディアの進化、兵器産業の国際化含むグローバリゼーションについての説明のボリュームがしっかりあって、当時あった事象について1つ1つちゃんと腑に落ちていく感覚があった。

余談だが、王立造幣局長として唐突に出てくるニュートンにとても驚いた。昔の人って本業がなんなのか分からないことが多い。モールス信号作った方も画家らしい。

31章あたりからかなり辛い話になってくる。
多くの死者を出したソンムやパッシェンデールの戦いもそこに含まれている。

日本も一部この戦争に参加していて情報収集もしていたにも関わらず、なぜ太平洋戦争が起こってしまったのか、なぜ補給を易々と補給を断たれてしまったのかと考えさせられる。

また、最初から読み返したくなってきた。

「ツキュディデスの罠」は一生言えない。

実用Go言語

www.oreilly.co.jp

3ヶ月ほどSREチームを離れて、Go言語でアプリケーション開発を行うチームに参加した。そのため、情報のアップデートという目的もありつつ読んだ一冊。

実装を行う中で迷いがち/悩みがちなポイントについて、どのような選択肢があるのか、どういった基準で実装方法を選択していくかという基準が明らかになっていて良かった。

Goらしいプログラミングの方法とは?といつも悩んでしまうので、コーディングするときに横に置いておきたい一冊。

OSSでよく見るが、どういった目的で実装されているか分からないものがある。今はGPTがあるので困らないかもしれないが、検索エンジンだけでその情報にアクセスするのは大変だったりする。
Tipsが体系化されて書籍になっているおかげで、助かっている面がある。

例えば、ブランク演算子によるダミー変数宣言を使って構造体がインタフェースを満たしているか確認するテクニックも今回理解できた。

テクニックだけでなく、ドメインで先に分けるか?レイヤーで先に分けるか?といったような議論もあり、興味深かった。
昔はJava書いていたこともありレイヤが先と思っていたけど、ことGoにおいてはドメインを先に分けるのが良いんだろうなと思っている。
小さいツールみたいなのは、きっとフラットで十分だろう。

「100分de名著」ブックス 新約聖書 福音書

www.nhk-book.co.jp

旧約聖書の話は色んな創作物の元ネタになっていたりするのて知る機会が多いけれども、新約聖書はほとんど知らないなと思い手に取った。

4つの福音書がそれぞれイエスの伝記になっていて(かつMECEでない)、それらをマージして語ってくれているのでおそらく読みやすくなっているはず。

実は新訳聖書も創作物の元ネタになっていることを知れた。
例えば、東方の博士(カスパー、バルタザール、メルキオール)とかはそう。

聖書の中の物語を通して、全員が神の子で平等であることをよく語っている印象を受けた。混血ゆえに迫害を受けていたサマリア人の話やファリサイ派の話あたり。
当時、ユダヤ教において救われなかった人から魅力的に見えるのがわかる気がしてくる。

全体的に、紹介されてるイエスの言葉をどう解釈するかが難しいように感じられた。
この本のように一本「コトバ」という軸や背景にある考えを元に説明がなされると理解に近づける気がするが、そのまま福音書を読んでも??だったと思う。

例えば、ユダに対しての「人の子を裏切るその人は不幸である。むしろその人は、生まれなかったほうがよかったであろう」 の部分がそれにあたる。

プロテスタントの中に多くの教派があるのは、解釈の難しさに起因していたりするんだろうか。

高校時代に 1週間オーストラリアに行ったときに、ホストファミリーに教会に連れて行ってもらったことがある。
その時にパンの耳と水を口にしたが、あれはイエスの言うところの「わたしの体」「わたしの血」であったんだなと今更ながら気づいた(本来はぶどう酒だけど)。

進化とは何か:ドーキンス博士の特別講義

www.hayakawa-online.co.jp

サピエンス全史が面白くて、人体600万年史を読み始めたものの長すぎて途中で放り投げてしまった僕が「短くて読みやすいものはないかな」と思って手に取った本。実際短めで読みやすかった。

デザノイドの説明などで写真が結構出てくるので、カラーで見たかった。
本のベースはドーキンス先生による講演だったようなので、現代にいい感じの編集で蘇ったりしないのかなと思ったりする。

自然選択の話が主流にあるが、合わせて人為選択(選択交配)の話も出てくる。ダーウィン種の起源は人為選択の話から始まるらしい。

ドラゴンクエストモンスターズ世代なので、選択交配は身近な概念だったはずだが、現実の選択交配の話はなかなかショッキングだった。
例えば、ブルドッグは、頭が大きくなりすぎて自然分娩できないので、必ず帝王切開で生まれてくる。つまり人類が絶滅したら必ず一緒に絶滅する。残酷という言葉で片付けるのは違うと思うが、なんとも言えぬ気持ちになった。

創造説はやはり根強い部分があるのか、この本の中でも登場し進化論との比較がなされる。
日本では創造説を信じている人はそんなに多くなさそう(?)だが、海外では一定数いそう。
実際 Netflixで配信されているlove is blindに出てきた敬虔なカトリック教徒の方も創造説を信じていた。

色んな生物の自然選択ついて知ることができた。
こうなってくるとヒトの自然選択も詳しく知りたくなる。
人体600万年史読むの再開しようか。

エンジニアリングマネージャーのしごと

www.oreilly.co.jp

会社で輪読会があると聞いたので、当時はマネージャというロールではなかったが、参加することを決めて読み始めた。
10月から実際にマネージャになって3ヶ月経った今ちょうど読み返している。

HIGH OUTPUT MANAGEMENTを読み比較して思ったことは、この本はやはりタイトル通りエンジニアリングマネージャのために書かれたもので、一番実践しやすい形になっているなと思った。
3ヶ月周期くらいで読んで、少しずつプラクティスを実践していくのが良さそう。

読んだ人のほとんどが、冒頭の「よろヒヒーン」が引っかかって、一旦そこで手が止まると思う。
原著だと "Hello, new neigh-bor!" になっているらしい。neighは馬のいななき。なるほど。

ぜんぶ絵でわかる1木造住宅

www.xknowledge.co.jp

注文住宅を建てるとなったときに、「設計士さんとの共通言語を手に入れるぞ!満足できる設計にするぞ!」と息巻いて買った。
読み始めて気づいたのは、メーカーあるいは工務店選びの段階で手に入れておくべき情報であったということだ。

立面から考えるというのは正直できてなかった。どうしても平面の間取りから考えがちになる。

実際、屋根に乗せる太陽光パネルを具体的に考えたときに、北側斜線とモダン(?)な屋根形が原因で予測よりパネル数が乗らないというのが発覚したりした。

もし別のメーカーを選んでいたときに、目標となる断熱性能を目指したら窓が少なくなるというのも十分考えられた。

とはいえ、住宅の建主としてはtoo muchだなと思う部分も多くあったので、もうちょっと易しい書籍があったらそっちを読んだほうが良かったかもしれない。
絵がかわいい。

はじめての英語史

books.kenkyusha.co.jp

これは、ゆる言語ラジオの影響で買った本だったと思う。
英語を勉強していて直感的じゃないなと思うことが多々ある。例えば、三単現のsとか冠詞のa/anとか。母音の発音とか。

それらがどう形成されていったかという過程はとても面白い。

これを読んで得られた1つのレンズとして、「なぜ母音の前の冠詞はanになるのか」ではなく「なぜ子音の前の冠詞がaなのか」というところに注目するというもの。
人に教えるとなったら、共時的な視点から、説明の経済性の高い例外ケースの少ない方(つまり母音の前のみanになる)で教えるが、そこに通時的な視点を持ち込むことで理解に深みが出る。

フランス語やラテン語から借用された言葉は傾向としてフォーマル寄りであるという、今後も活かせそうな情報も全然ある。

もう一冊くらい似たような本を読んでみても良いかもしれない。

大母音推移許せない。

ざっくりつかむ CSS設計

book.mynavi.jp

図書館に行って偶然見つけたので借りて読んでみた。
ずっと雰囲気でcssでやっていたので体系的に勉強してみるかという思いもあった。

実際にチームで開発するときに、どういう方法で保守性の高いCSSを書いていくかという観点は、結構抜けていたかもしれない。
BEMのルールやnormalize.css、marginの相殺など基礎的な部分から知れたので自分のレベルに合っていた。

エコハウス超入門

www.kinokuniya.co.jp

これも、ぜんぶ絵でわかる1木造住宅 と同じようにいざ注文住宅を建てるぞというときに買いました。

夏と冬で目指す室内の温度と湿度を定義しているところから始まっているのが良い。

湿度に関しては、ダニが繁殖するか否かという視点しかなかったが、喉の乾燥によってウイルスが繁殖しやすいか否かという視点も提示されており勉強になった。難しいのは、前者は相対湿度で後者は絶対湿度に左右されるという点らしい。

家の断熱性能というのは重要なのは前提とした上で、シェードが最強だなとこの書籍を読んで思いました。庇もいいが、3月寒いのに日が入ってこない or 9月暑いのに日が入ってくる みたいになってしまうとのこと。

実際にシェードをつけようとなると、外観に影響があるとかなんとかで設計士さんや営業さんから反対を喰らい、暗澹な気持ちを抱きつつも押し通して見積もりしてもらいました。

蓋を開けてみるとシェードあまりに高かったので諦めざるを得なかったというのがある。

世界が広がる 推し活英語

hon.gakken.jp

MASCARAをきっかけに、去年の夏くらいからXGを聴くようになっていたが、1年前のcypherあたりからよりハマっていった。

DMM英会話でXG好きなインドネシアの先生に会ったが、全然うまいように喋れなかったのがショックだったのが確か買ったモチベーションだったかな。

crushって恋心とか憧れという意味があるんだって知った。ガルクラってそこから来てるのかな。 crush-worthyでリアコ枠らしい。リアコ枠にちゃんと対応する英語あるのすごいな(逆か?)。

ついてきた音声の日本語読み上げが悠木さんでびっくりした。

high school AUで学パロらしい。

インドネシア ――世界最大のイスラームの国

www.chikumashobo.co.jp

チームにインドネシアのメンバがいて1on1で話しているとどんどんインドネシアに興味が出てきて読んだ本。 特に宗教周り。

祝日は各宗教に関連する日が混在した状態になっている。ブッダの生誕記念日もムハンマド生誕祭もクリスマスのお休み。ヒンドゥー教に関するものもあったような。

インドネシアの国民の大多数はイスラム教徒ではあるものの、(アチェ特別州除いて)シャリーアを国法として定めず、各宗教が調和的に共存してきた。 それを支えてきたのは、スカルノ大統領が提唱したパンチャシラの精神である。

国が国としてまとまるためにはアイデンティティ(人種やら言語やら)が必要というが、それがパンチャシラなのかなという気がした。

ちなみに、日本での神仏習合と同じように、土着の文化との融合があるらしく、例えばイスラームの教えとはかけ離れた先祖崇拝という伝統が存在したりするらしい。

そこからのスハルト大統領の独裁とその後の戦闘的なイスラーム運動の展開の歴史も興味深かった。

不老長寿メソッド 死ぬまで若いは武器になる

kanki-pub.co.jp

自分の自己認識年齢はずっと25歳で止まってしまっているが、実際は30歳を迎えているので、そろそろちゃんと考えないとと思って読んだ。

著者のブログは結構有名で、ほぼ毎日くらいのペースで論文のサマリーをアップしていてたまに読んでいた時期があった。

ホルミシスが重要なんだという話が最初にあり、それをベースに後続の内容について考えられるのが良い。
ここに出てきたパスツール先生にまさかビールの教科書で再会することになろうとは。

運動不足極まる在宅勤務生活を続けている身なので、NEATやHIIPAを増やしていかねばなあと思いつつ、最近だんだんまたやらなくなってきてしまった。定期的に読まないと意識がどんどん下がっていく。

レチノールも買ったが思い出したときにしか付けなくなってしまった。
保湿剤は以前より自分の肌に合ったものを採用できるようになったのはいい話。

本当に行動を習慣化するのって難しいよなあ。

エンジニアのためのドキュメントライティング

pub.jmam.co.jp

ドキュメント書くという営みはソフトウェアエンジニアとってすごい大事と考えている。APoSDでもコメント/ドキュメントに言及されていた部分に関して自分も同意。

の割に、「ドキュメントをどう書くべきか」「どう書くとより良いドキュメントになるのか」という部分に、自分はあまり目が向けられていなかったように思うので買った。

読んだ後に、再度OSSSaaSのドキュメントを読むと、書いてある内容がちゃんと実践されていると感じるものもある。そういったものはやはり読みやすい。
プラットフォームの提供も行っているチームなので、開発者に対してドキュメントを提供することが非常に多い。

より機能するドキュメントを作れるように、要点読みながら実践していくというのをやらねばいけない。

ビールの教科書

bookclub.kodansha.co.jp

前半のパートが非常に面白くてハイライトだらけになった。

ビール工場って行ったことがなくて知らないことが多くてとても興味深かった。
なぜ麦芽にする必要があるのかというくだりは唸りながら読んでた。麦に春が来たと錯覚させてでんぷんを低分子に分解させて酵母に食わせて、アルコールと炭酸を作らせてるっていうね。

発酵が酵母という微生物の働きであることをつきとめたパスツールさんには足向けて寝られない。
ちょっと前の本だからというのもあるかもしれないが、ドライホッピングについて触れてくれているとより嬉しかった。

ビールうんちくおじさんにならないように気を付けている。

経理以外の人のための日本一やさしくて使える会計の本

d21.co.jp

マネージャになったことで、自分の業務の中に管理会計に関わることが入ってきたし、会社全体の方針についてのインプットをよりしっかり咀嚼する必要が出てきた。

読み始めたとき「優しすぎるか?」と一瞬思ったけど、序盤だけだった。自分の知識が足りてなさすぎて丁度良い本だった

深く掘り下げ過ぎず、平易な言葉で書かれていて、さらっと読めたのが良かった。

いかに自分のもとに動かせるお金があるのが重要かというのが分かっていなかったし、債務超過が (上場企業を除いては) クリティカルでないことも知らなかったし…。

「100分de名著」ブックス 維摩経: 空 と慈悲 の物語

www.nhk-book.co.jp

大阪旅行に行くときに四天王寺に行くことになったので、聖徳太子ゆかりの維摩経について調べていくかと思い読んだ本。三経義疏という日本最古書かつ仏典注釈書で、維摩経を取り上げているそうな。
如是我聞で始まらないお経という点にも惹かれた。

もし舎利弗(釈迦の一番弟子)のファンとかだったら、解釈違いで読めないかもしれない。

維摩にいろんな菩薩や釈迦の弟子たちがことごとく論破されていく形になっていて、その問答を通して「空」や「在家のまま悟る」など大乗仏教で重要とされる教えを説くという形になっている。

基本的には維摩の言うことには、「二項対立構造からの脱却」等うんうんと頷きながら読むことになるのですが、一点だけ「妻や愛人や遊び女のあることも隠さず、かつ情欲からは遠ざかっています」のとこだけ、「どういうこと??」となってる。歴史的な背景を知るとまた変わってくるのかな。

最後の維摩の正体が明かされるところ最高だった。 そういえば、「大乗仏教ってパラレルワールドだった…!」てなった瞬間よ。

最高の香りに満ちた仏の国「衆香国」気になる。

問いかけの作法

question.mimiguri.co.jp

読んだからといって直ぐに実践できるかというと難しいように感じてしまった。 他の人がやっているのを見て、本に出てきたパターンのどれに当てはまりそうかな?と考えたりするのは直ぐできそう。

4つある問いかけの基本定石全てを意識するのは難しいので、1つずつ取り上げて、それを達成しようとしてみるのが良いのかな。
適度に制約をかけるというのに一番苦手意識があるが、これをやって議論が進むことが多いように感じるので克服したいところ。

基本定石4つ目に関しては、「開発生産性」「認知負荷」とかマジックワード的になっている言葉あるよなあと思ったりした。

例えば、僕たちは開発プロセスにおけるどの部分のアウトプット / インプットを最大化したいんだっけを明らかにする問いかけが必要なんじゃないか、と読みながら思った。

質問を組み立てるときには、自分の芸風を理解する必要があると。分かるが、自分の芸風とは一体…。

ネタ番組みたいにキャッチコピー付けたら、自分と他人の認識が一致しやすいんじゃないかと思った。
トム・ブラウンの「戦慄の豪腕カオス」ていうキャッチコピー好き。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT

bookplus.nikkei.com

隣の事業で輪読会やるとのことで声をかけてもらったので参加してきた。
初版が1983年とは思えないほど、今読んでも古いとは感じない内容ですごい。

エンジニアリングマネージャのしごとは結構この本の影響を受けている。タスク習熟度の話は移譲の物差しの話に通ずるし、マネージャのアウトプットについての言及もそう(マネージャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット + 自分の影響が及ぶ隣接諸組織のアウトプット)。

ドルマネージャに向けて書いている本。まさに現在の自分の立ち位置なので刺さる。

生産性

www.diamond.co.jp

友達におすすめしてもらって読んだ本。めっちゃ良かった。要点抑えてすっきり書いてあった印象で非常に読みやすかった。
これも主にはミドルマネージャに向けた本だと捉えている。
刺さる部分が多かったのでこの部分だけ書き散らし感が他のところより大きい。

マクロな視点で見るとどんどん労働人口が減っていく日本、小さいところで見ると育休などで長期的に労働力が減ることがある。生産性を上げたり不要な仕事を削っていかないと今まで同じアウトプットは出せない。

自分の会社も1ヶ月くらいお休み取れる制度があったりするし、人材の流動が多い業界ではあるので、そういったタイミングでどのようにアウトプットを維持するのかという問いから逃れることはできない。

生産性の定義とそれを上げる2つの方法、成長とは生産性が上がることである、というところからスタートしている。

量のコントロールを最初にやっても仕方ないというのは、本当にそうだなと思った。残業時間を制限するとか、会議を短くするというのは、生産性を向上した結果であるべきだ確かに。でも今まで普通のことのように受け入れてしまっている自分がいたかも。

人数の多い戦力外中高年を諦めず期待して育成するんだというメッセージも刺さった。おそらく自分は、ピーターの法則にぶつかって将来的にそこに行きそうだなと思っているのもある。

マネージャの仕事もソフトウェアアーキテクチャと同じでトレードオフの中に身をおいて判断を下すことなんだと。

自分のマネージャがマネージャの業務をSREingに例えてくれたことがあったが、抽象化していくと似通ったものを見つけてそれが理解に繋がっていくので、今まで自分が身を置いていた領域とマネジメントの共通点を見出していくのが良いのかもしれない。

後半は資料作成や会議の進め方など具体的な生産性向上の話に触れつつ、いろんな業務に応用可能なコアの部分を伝えている。

ちなみにクリオロという有名なケーキ屋さんにクリスマスケーキを買いに行ったときに、1時間半並ぶことになり、その時間でこの本の後半をガッと読み切った。

良い戦略、悪い戦略

bookplus.nikkei.com

下半期のチームの戦略を立てるときに頼りにした本。

伝えたい内容に比べて本のボリュームが大きいように感じられるかもしれないが、紹介されるそれぞれの事例が興味深くて面白い。

単純かつ明快な戦略が良い戦略である。状況を完全に把握することが戦略の肝であり、3つの要素、診断・基本方針・行動で構成されるカーネルを仕立てるのが重要であると。迷ったときはカーネルに立ち返る。

仕事でいざチームの戦略を立てるぞと思って最初に作ったものは、現状の分析が足りてないいわば地に足のついていないものだった。上司にそれを指摘いただいて、この本をおすすめしてもらった。

紹介されるそれぞれの事例で言うと、例えばCiscoNVIDIAスターバックス、宇宙開発の話などが出てくる。第一次世界大戦のソンムとパッシェンデールの戦いもだ。