1クール続けるブログ

とりあえず1クール続けるソフトウェアエンジニアの備忘録

新生児の子育て奮闘記

我が家に新生児を迎えてから丁度2週間が経過したので、日々の様子を雑多にまとめてみます。

育児のタスク

寝かしつけを除けば、 想像していたよりも早く慣れることができました。寝かしつけについては後述します。
産院での面会中に、おむつ替え・ミルク・げっぷ・沐浴といった基本的なケアを(助産師さんの指導のもと)実際に体験できたことが、非常に役立っています。
面会前にYouTubeなどで予習するきっかけになりましたし、赤ちゃんを家に迎えるまでの間に復習する時間も確保できました。

女性は出産時に(愛情ホルモンと呼ばれる)オキシトシンのシャワーを浴びる一方で、男性は子育てに積極的に参加することで徐々にオキシトシンが分泌されるようです 1 。 子育てを楽しく感じ、愛情を持って接することができるようになるためにも、赤ちゃんとの触れ合いの機会を確保することを心がけています。
ちなみに、赤ちゃんの泣き声からニーズを聞き分ける能力には男女差がないという研究結果もあるそうです。ただし「子どもと接触する時間が長い父親であれば」という条件付きですので、そういった意味でも接触時間を意識的に増やすようにしています。

おむつ替え

産後2,3日しか見られない胎便と対面できたのは、貴重な経験でした。皮膚にこびりついて全然取れなかったので、力強くごしごしと拭き取りました。

おむつ替えの頻度は当初想定していたよりもずっと多いことに気づきました。
膀胱内に尿がたまり、膀胱内圧が高まると伸展受容器が刺激を受けます。大人の場合はその刺激を大脳が処理し尿道括約筋を弛緩させますが、赤ちゃんの場合は大脳を介さず脊髄で直接刺激を処理するため排尿の頻度が高くなるそうです。

赤ちゃんが不快に感じるのは、排尿後の不衛生さではなく、排尿自体や濡れたことによる皮膚の体感温度の変化のようです。
尿意(や睡魔)は赤ちゃんにとってはまだ不快な感覚のようです。大人はその後にスッキリした気持ちが待っていることを知っていますが、生後6ヶ月頃までは「時間」という概念がなかったり、生後3ヶ月頃から形成され始める手続き記憶がまだ備わっていないためか、単純に不快として感じてしまうようです。

ちなみに、家に来て最初におむつ替えてる最中にうんちを噴射されてめちゃくちゃ笑いました。
GUのセール品のトップスを何枚か買い込んでおいて本当に良かったです。ガード下げてるときに攻撃するのは反則でしょう。

ミルクとゲップ

哺乳瓶を嫌う赤ちゃんもごく少数ながら存在すると聞いていたので、スムーズに飲んでくれて安心しました。ただ、生後3ヶ月頃から突然哺乳瓶を拒否するケースもあると聞いているので、まだ油断はできないと考えています。

赤ちゃんはコイやナマズと同様に唇の周辺でも味を感じるようです。吸啜反射を促すために哺乳瓶の乳首を口に入れる必要がありますが、まず唇の周りを優しくちょんちょんと触れることで口を開けてもらうよう工夫しています。
飲むのが止まったときには、少し揺らすとまた吸い始めてくれます。

当初は哺乳瓶を煮沸消毒していましたが、大きな鍋を常に確保しておくのが不便だったため、最終的にはピジョンのミルクポンを使用することにしました。

産院からもらったビタミンK2シロップを与えていますが、母乳で不足しがちなビタミンK2を粉ミルクで補うこともでき、より安心感があります。 ビタミンK2は血液凝固に重要な役割を果たすため、不足すると止血機能が弱まってしまうそうです。

哺乳瓶で授乳すると空気も一緒に飲み込む可能性が高くなるため、必ずゲップをさせるようにしています。 最初は縦抱きでゲップをさせようとしましたが、どうしても赤ちゃんの口と鼻を塞いでしまいがちだったため、助産師さんに教えていただいた膝を使う方法に変更しました。 体内に空気が溜まると不快感から寝付けないことが多いように感じるので、5〜10分程度かけてじっくりとゲップを促すようにしています。

沐浴

リッチェルのベビーバスを浴室で使用しています。 YouTubeの沐浴動画ではシャワーを使っている例が少ないようですが、産院での沐浴講習でシャワーを使う方法を教わったため、泡を流すときはシャワーを活用しています。

お湯に入れたりシャワーで流したりすると、モロー反射が起きて体勢が不安定になるため、(背中を洗う時以外は)常に左肘ごとベビーバスに入れた状態で首と背中をしっかり支えています。 下半身がお湯に浸かったままだとボディソープでうまく洗えないため、下半身を洗う際にはベビーバスに対して赤ちゃんを斜めにし、一時的に下半身を水面から出して洗うようにしています。 背中を洗う時は、右腕に赤ちゃんの両手と顎を乗せ、左手で背中とお尻を優しく洗います。

タオルで拭いて保湿している間は、体の水分が蒸発する際に体温も奪われるためか、泣き出してしまうことが多いです。バスタオルで体の隅々や髪の毛まで丁寧に拭き取ります。 あまりにも激しく体を動かしている場合は、顔の保湿やへその消毒は服を着せてから行うとスムーズです。
不思議なことに、コンビ肌着の股下のスナップを留めた瞬間に落ち着くことがあります。そんなに変わるかなあ(?)

触れ合い

寝かしつけのついでに触れ合っているイメージです。
今後は、定期的にくすぐって赤ちゃんが「身体の輪郭」をどういうペースで認識しているかも確認してみたいと思っています。

新生児の視力は0.01程度で、視界はモノクロに近く、さらに2次元に見えていると言われています。父親と母親が別の人物であることや、「母親」は「母親」であるという同一性にもまだ気づいていない段階です。

赤ちゃんは生まれた時から人間の顔の形状を好む傾向があるようです2。そのため、約30cmの距離に自分の顔が来るように抱っこする機会を多く設けるようにしています。 また、母国語のリズムは胎内にいる時から認識し好む傾向があるとも言われているので、まだ言葉の意味は理解できないでしょうが、積極的に話しかけてみるようにしています。13世紀のフリードリッヒ2世の実験やルネ・スピッツによる第二次世界大戦時の孤児院の調査から、コミュニケーションやスキンシップがないと人は育たないことが示唆されており、話しかけることにはなんらか意味を持つのかもしれません。

我が家の寝かしつけルーティン

1. 温度のチェック

  • 摂氏23〜25度だったらOK
    • コンビ肌着1枚(+ おくるみ)の場合
    • CuboAiというベビーモニターで温度を計測しています
  • 2方向に窓がある部屋にベビーベッドを置いていましたが、日中の室温が高くなりすぎたため部屋を移動しました
    • アルゴンガス入りLow-E複層ガラスの断熱性の限界を実感しました
    • 裏を返せば冬は暖かく過ごせそうです
  • 汗をかいていないか、手足だけでなく胴体も冷えていないかなども重要なシグナルとして確認しています

2. 授乳間隔/ミルク間隔のチェック

  • 母乳の場合は1.5時間以上、ミルクの場合は3時間以上が前回から経過しているか確認します
    • 母乳の方が消化が早いとされています 3
    • 胎盤排出に伴いプロゲステロン(母乳分泌を抑制するホルモン)が急減し母乳量が増えますが、最初の1ヶ月間は徐々に増えていくため、不足分をミルクで補う必要があります 4
  • ぴよログを使って授乳とミルクの記録をつけており、夫婦で情報を共有しています
    • 睡眠時間や排泄についても同様に記録しています

3. おむつのチェック

  • おしっこをするとおむつの色が青く変わるタイプを使用しているので、すぐに確認できます
    • 青く変わったのを見つけると「パターン青、使徒です!」と宣言しています
    • 新生児は1日約20回も排尿するそうです 5
  • うんちの場合は基本的に匂いで判断できます
    • ただし胎便は匂いがほとんどしないため、おむつの中を定期的に確認する必要があります

4. おくるみでくるむ

4以降は、The Science of the 5 S's を参考にしています。 これは5Sのうちの一つ、Swaddling(おくるみ)にあたります。

  • おくるみで包むことでノンレム睡眠時間が延び、覚醒が減少するとされています 6
  • 「おにぎり巻き」と呼ばれる包み方を実践しています 7
  • ただし、寝返りができるようになった後はSIDS乳幼児突然死症候群)のリスクが高まるため、おくるみの使用を中止する必要があります 8

5. ビニール袋をすり合わせる音を聞かせる

CuboAiの機能で流すホワイトノイズや扇風機の音では何故か効かない。
おむつを捨てる匂いを抑える袋を利用して、カサカサした音を出すと泣き止んで入眠してくれるケースがある。

6. 縦揺れする

5Sのうちの一つである、Swing(揺らす)を実践しています。 赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学 - 東京科学大学 黒田研究室 で説明されている「輸送反応」を誘導する目的もあります。

  • 左上腕に赤ちゃんの頭を乗せ、新生児の視力(約0.01)でもうっすら見えそうな30cm以内に自分の顔が来るようにします
    • 子宮にいる胎児の段階から、顔に似た形状を好むことが研究で示されています
  • 上半身はしっかりとホールドして動かさないようにしながら、スクワットをして縦方向に揺らします

7. 保持したまま見守る

赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学 - 東京科学大学 黒田研究室 で言及されているように、抱っこしている状態で移行する「ステージ1睡眠」では、ちょっとした刺激(親との体の分離など)で目が覚めてしまうため、5〜8分程度はそのまま抱き続けるのが良いとされています。

ただ、私自身の経験では、長く抱き続けている間に逆に起きてしまうこともあり、眠りについたら約1分程度で静かに置いた方が入眠を促しやすいように感じています。 研究では主に生後2ヶ月以降の乳児を対象にしていることや、個人差があることも考慮する必要があるかもしれません。

8. ちょっと泣いても一旦見守る

赤ちゃんは30〜60秒程度で自己なだめ(self-soothing)によって再入眠することがあります。
米国小児科学会(AAP)による Self-Soothing: Help Your Baby Learn This Life Skill でも、短時間泣いている赤ちゃんをそっと見守るのは「泣かせっぱなし」ではなく、self-soothingを身に付けるための大切なプロセスであると説明されています。

9.「やったか!?」

「ようやく寝てくれた…」と夫婦でホッとしてハイタッチした瞬間に、再びギャン泣きが聞こえてくることもあります。

改めて1のステップに戻って確認です。10分前におむつを替えたばかりでも、再度おしっこしていることも珍しくありません。
医療機関への連絡をするか判断する危険サインが見当たらないかを念のために確認します。

精神的に消耗しそうなときは、ワイヤレスイヤホンでオーディオブックを聴きながら赤ちゃんの様子を見守るようにしています。

最近は、audiobook.jpバッタを倒すぜアフリカで を聴いています。めちゃくちゃ面白いです。書籍も購入してティジャニを応援しようと思います (?)

現時点での情報収集

  • ベビまよ (Podcast)
  • 書籍
  • 自治体での両親学級助産師訪問
    • 心構えや沐浴の方法は自治体が開催している両親学級で学ぶことができました
    • 助産師訪問は本当に心強いサポートでした
  • YouTube
    • 地方自治体が公開している動画は信頼性が高く安心感があります
    • 助産師(と紹介されている)方のチャンネルも参考にしています
    • 分娩についてもvlogをたくさん視聴してから立ち会いました(分娩vlogの存在を知らず、出産間近になって存在を知り急いで視聴しました)
  • 生成AI
    • AAPや日本小児科学会など信頼できる情報源に限定するプロンプトを使い、reasoningモデルで信頼性の高い情報を得るよう工夫してみています
  • テレビ番組「夫が寝たあとに」(テレビ朝日
    • めちゃくちゃ面白い…過去回観たいのでTELASA入ります
    • 横澤夏子さんが愛らしい
    • バラバラ大作戦出身らしい!トンツカタン森本もバラバラからでっかい番組作ってくれよな!期待!
  • 友人
    • 偉大な先輩方がたくさんいるのだ

使っているツール

  • CuboAI
    • 泣き声の通知や顔覆いの検知機能を活用しています
    • ダイニングにタブレットを設置して常に赤ちゃんの様子を確認できるようにしています
    • おむつ替え時のナイトライト機能が思いのほか便利です
    • ホワイトノイズを流す機能も利用しています
  • ぴよログ
    • 授乳やミルクのタイミングを夫婦で共有するのに非常に役立っています
    • 日々の睡眠時間のパターンも確認できます
    • 排泄記録もとることで、便秘傾向なども把握できます
    • Siriと連携することができるため、おむつを替えながら音声で入力することができます
  • 母子手帳アプリ 母子モ
    • 予防接種のスケジュール管理に使用しています
  • 家族アルバムみてね
    • 親族に子どもの写真や動画を共有するために活用しています

これから

何よりも健康にすくすくと成長していってほしいと願っています。 まずは目の前の1ヶ月検診でしっかりと体重が増えていることを確認したいです。

育休明けにどのように仕事と育児を両立するかは、正直なところ不安に感じています。
現在は料理と買い物を全て担当し、その他の家事も6〜7割ほど引き受けています。育児に関しても寝かしつけ、沐浴、おむつ替え(頻度は少なめ)、時折のミルクを担当しています。深夜の授乳とそれに付随する作業はパートナーに担ってもらっているため、もっと積極的に家事を負担するべきと感じています。

育休が明ける9月上旬までに赤ちゃんのサーカディアンリズムをある程度確立し、self-soothingの能力を育むことができれば、夜間の負担を軽減し、夫婦ともに消耗の少ない状態を作れるのではないかと期待しています。
朝7時頃にカーテンを開けて日光を取り込み、夕方18時ごろに沐浴を行い、その後は部屋を暗くすることでサーカディアンリズムの確立に努めてみています。

最近、中公新書ケアとは何か という本を読みました。 イギリスの小児科医ウィニコットは次のように論じています。

育児のおけるケアの働きかけが、子どもに「自分というものが存在している」という実感を生む。 <私> が初めからあるわけではなく、ケアこそがあかちゃんを生み出す。

育児は「存在を支えるためのケア」でもあることを頭の片隅に置きつつ、引き続き育児に取り組んでいきたいと思います。

夕方の時間は寝てもすぐに起きてしまうのよね…どうしたらいいんだろうか… (?)
縦揺れでスクワットの回数が増えてきており、家から出る機会は減ったのに脚力は鍛えられていそうである。